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noizeが管理する幻水Ⅲ・Ⅴ、サモナイシリーズ中心のよろずブログサイトです。 はじめましての方は、カテゴリからaboutに飛んでください。
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主張。
ラクシャサの話がものすごく見たいですが、普通に全部見たいよ、何で地元のTSUTA○Aには三期と五期しか置いてないんだ!
(五期の猫娘は本当にコナンの和葉とかぶるなぁ)
(和葉はコスプレしないけど)



久しぶりにサモナイで更新。
○年後ライリシェ。
甘々注意(私が書くノーマルは総じて恥ずかしい気がする、自分で)↓

幼いころから、ある意味では金の派閥の世話になっていた。とは言っても、ライが世話になっていたのは、片田舎に構えられた屋敷の主人に、である。
その一角に貿易港を抱えるファナン、町の中心とも言える金の派閥本部。
でかい。
今日で三度目の訪問となるわけだが、ライは毎度の如く、派閥本部の前に立ち尽くしてその豪華絢爛たる門構えに圧倒された。昼過ぎの太陽が燦々と降り注ぎ、黄金の屋根や窓枠の、無駄に眩しい自己主張を助長している。
場違いは承知の上で、ライは、ベルトに提げた創星の剣を外し、門番に渡した。クラウンドライブは見咎められないよう、上着の背中に隠してある。別に物騒なことをしにきたわけではないが、世界を救った数年前の用心深さが未だに抜けず、何かしらの武器を携えていなければ落ち着かないのだ。
どうかしている、恋人に会いに来たのだぞ?
いや、彼女ならわかってくれるだろうと、噴水の縁に腰かけた。骨の軋みとともに成長した、長い脚を組み、中庭でさざめく人の影を見回す。男も生白い、金襴のローブやマントに身を包んだ召喚術師たちは、如何にも戦士、とまではいかなくも、鍛えられた体躯を簡単な服装で調えた部外者を、遠巻きに眺めていた。
一応、洒落てきたつもりなんですけどね。彼らに言わせれば安物だろうし、聞こえてくる陰口の内容も概ね想像通りであるため、腹は立たない。
『何であんな貧乏人が』
とか
『身分を弁えろ』
とか
『品格がない』
とか。
背中に銃を隠しているので、文句を言う資格はないように思えた。
言わせておけばいいのだ。背後では、さらさら、水の湧き出る音がする。微かな潮の香と、穏やかな日差しを疎らに散らす広葉に、ライは目を閉じ深呼吸して。
「誰のことよっ」
待ち焦がれた娘の声に、バネ仕掛けのように立ち上がった。
しかしそれは自分に向けられたものではなく、黒のワンピースとロングブーツに身を包んだ娘は、携えたコートを振り回さんばかりの勢いで、召喚術師らしい姿の青年に食ってかかっている。
「あんた、誰の陰口たたいてたのよっ」
短いスカートで脚を上げるな!
庭中に響く、ヒールの音と娘の怒声に、ざわめきが集まってくる。
「貧乏ですって? 身分が低いですって? 品格がないですって? ふざけるんじゃないわっ、派閥と家に守られてでかい顔してるくせに、何様のつもりよ!? 品格なんてのはお金で買うもんでも親から継ぐもんでもない、そいつの生き方についてくるのよっ。そんなこともわからないやつが、ライをバカにするなんて言語道断!」
「リシェル!」
鼻息荒い妙齢の恋人の肩をつかみ、それでも足らずに背後から抱きかかえた。そうでもしなければ、度肝を抜かれている青年に、つかみかからんとする剣幕だ。
「はいはい、どうどう」
「馬じゃない!」
ヒールで思い切り向こう脛を蹴られたが、痛くはない。
「何で平気な顔してんのよ、悔しくないの!?」
「いや、悔しいって言うか」
娘の(ラビットファイア装備の)腰に回した自分の腕を見下ろし、それから、装飾過多なローブを着込んだ青年を見つめ、おもむろに、
「遠吠え? 何のとは言わねぇけど」
鼻で笑ってみた。
「……言うようになったわね」
「お客様には料理と笑顔を、無礼な客にはそれなりに」
感心した様子のリシェルには破顔して見せ、その細腕からコートを抜き取る。
「時間の無駄むだ。行くぞ、リシェル」
コートを着せながら促すと、まだもの言いたげな様子ではあるものの、完全にライを見上げて、大きく頷いた。満足だ。
気勢を取り戻した召喚術師が、顔を恐らく怒りで赤くして、何事か怒鳴ろうと口を開いた。が、それが音になる前に、リシェルの体を引き寄せながら、左の拳を男の鼻先に見舞う。紙一重で、神速の拳は停止した。
「あのな」
顔には笑みを浮かべているつもりだが、声に笑いを含めるのを忘れていた。
「貴重な時間がカツカツ削られてて、ちょっとイラついてんだよ。わかるな?」
素手の喧嘩は専門外だが、戦闘センスはあるつもりだ。
「邪魔すんじゃねぇ」
終いには、ドスが利いてしまったかもしれない。
腰を抜かした召喚術師と、呆気にとられる派閥の面々を置き去りに、中庭を横切り、門を潜る。門番からは何事もなく剣を返され、並んで歩きながらベルトに付け直した。
「お前さ」
まだ口の中で文句を繰り返しているリシェルを肩越しに振り向き、目を細める。上げられた琥珀色は、何度か瞬きして、動きだけで返事をした。
「……大丈夫か? 立場とか」
「平気」
短く答えると、彼女は足を早める。相変わらず、白いコートの背中で、金茶色の髪が揺れた。
「元から、あまりよくないもん」
「そうなのか?」
「うん。だから、気にしない。あんたが馬鹿にされるほうが、ずっと腹立つわ」
肩越しに振り向いて追いつくのを待ち、左手を差し出した。重なる手、指を絡めて引き寄せる。
彼女の歩幅に合わせてゆっくりと進みながら、俯く横顔を眺めた。金茶色の髪が揺れ、視線を遮る。握り締めた手だけが、きつくその感情を伝えてきた。
浚って逃げてやろうかと、言うのは容易いが、それは彼女を愚弄することになるだろう。言葉の代わりに、細い手を、固く握り返す。
大丈夫、この娘は強い。
「今日は市場でお祭りがあるのよ、知ってた?」
ふわり、長い髪を揺らして顔を上げ、楽しげに笑う。
「あぁ、何かいつにも増して賑やかだったな……。祭りがあるんだ」
「そ。あんたの手料理には敵わないだろうけど、屋台で夕飯ってのもいいと思わない?」
「何だよ、食いっ気が先かぁ?」
「もちろん、買い物もするわよ。何せ荷物持ちがいるんだから」
「それはダメ」
クックッ、笑って首を横に振ると、不満げに睨んできた。
「何でぇ?」
「だって、お前さ」

この手を離さなきゃいけないなんて、酷い話だと思わないか?






これでロカミニとガゼリプに繋げるつもりだとか言ってみる。

え? 連載ですよ?



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